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回収頻度を見直すと廃棄物処理費用は下がる?
廃棄物の回収頻度を見直すことで、処理費用を削減できる可能性があります。
特に、容器に余裕がある状態で週5回回収している、廃棄物が少ない曜日にも定期回収が設定されているといった事業所では、回収回数を適正化することで収集運搬費を抑えられる場合があります。
ただし、回収頻度を減らせば必ず安くなるわけではありません。契約が月額固定制になっている場合や、回収量の増加によって大きな容器が必要になる場合、追加回収が発生する場合などは、期待したほど費用が下がらないこともあります。
重要なのは、回収回数だけでなく、廃棄物の量、容器の容量、料金体系、保管環境をまとめて確認することです。
廃棄物処理費用は何で決まる?
廃棄物処理費用は、主に次の要素で構成されています。
- 収集運搬費
- 中間処理・最終処分費
- 容器の設置・レンタル費
- 積込みや分別などの作業費
- マニフェストなどの管理費
- 臨時回収・追加回収費
このうち、回収頻度の見直しによる影響が大きいのは収集運搬費です。
収集運搬費が「1回当たり○円」で設定されていれば、回収回数を減らすことで費用も下がりやすくなります。
一方、処分費が重量や容量に応じて計算されている場合、廃棄物の総量が変わらなければ、回収回数を減らしても処分費はほとんど変わりません。
つまり、回収頻度の見直しは廃棄物そのものを減らす施策ではなく、主に運搬の効率を改善する施策です。
回収頻度の見直しで費用が下がりやすいケース
容器が満杯になる前に回収している
回収日に容器を確認すると、毎回半分程度しか入っていない場合があります。
たとえば、週5回の回収を週3回へ変更しても保管容量に余裕があるなら、回収1回当たりの積載効率を高められます。
特に、契約時より従業員数や来店客数が減った事業所、ペーパーレス化や分別によって可燃ごみが減った事業所では、以前の回収頻度がそのまま残っていないか確認してみましょう。
曜日によって排出量に大きな差がある
飲食店や小売店などでは、曜日や営業形態によって廃棄物の発生量が変わります。
毎日同じ頻度で回収するのではなく、排出量の多い曜日は回収し、少ない曜日は回収しない設定にすることで、必要な回収だけに絞れる場合があります。
「週5回から週4回」のように一律で減らすだけでなく、実際の排出パターンに合わせて曜日を選ぶことが重要です。
資源物と廃棄物を分けることで容器に余裕が生まれる
段ボール、金属、古紙、ペットボトルなどが可燃ごみや混合廃棄物へ入っていると、容器が早く満杯になります。
分別方法と処理ルートを見直すことで、処分対象となる廃棄物の容量が減り、回収頻度を下げられる可能性があります。
品目によっては有価物として売却できる場合もありますが、有価物に該当するかどうかは、価格だけでなく物の状態や取引実態などを含めて判断する必要があります。
店舗ごとに一律の回収頻度を設定している
多店舗事業者では、本部が全店舗へ同じ回収条件を設定していることがあります。
しかし、店舗面積、売上、営業時間、従業員数、飲食設備の有無などによって、必要な回収頻度は異なります。
全店舗を一律に変更するのではなく、排出量に応じて店舗をいくつかのグループに分け、頻度を設定する方が現実的です。
回収頻度を減らしても費用が下がらないケース
月額固定契約になっている
収集運搬費が月額固定の場合、回収回数を減らしただけでは料金が変わらないことがあります。
また、契約上の最低料金や最低回収回数が設定されている場合もあります。
まずは請求書だけでなく、見積書や委託契約書を確認し、料金が何を基準に計算されているかを把握しましょう。
処分費の割合が大きい
費用の大部分が重量制の処分費であれば、回収頻度を減らしても総重量が同じ限り、大きな削減にはなりません。
この場合は、回収頻度よりも、廃棄物の発生抑制、分別、資源化、混入物の削減などを優先した方が効果的です。
大きな保管容器が必要になる
回収回数を減らすと、次の回収日まで廃棄物を保管するための容量が必要です。
大型容器への交換や容器の追加によってレンタル費が上がれば、収集運搬費の削減額が相殺される可能性があります。
容器を変更する場合は、設置スペース、搬出経路、床の耐荷重、車両の進入条件なども確認が必要です。
臨時回収が増える
通常回収を減らし過ぎると、繁忙期や大型連休の後に容器へ入り切らず、臨時回収が必要になることがあります。
臨時回収には通常より高い料金が設定されている場合があり、年間ではかえって費用が増えることもあります。
通常月だけで判断せず、繁忙期や季節変動を含めて設計しましょう。
衛生面や安全面を無視してはいけない
回収頻度は、費用だけで決められるものではありません。
生ごみや食品残さを長期間保管すると、臭い、液漏れ、害虫、害獣などの問題が発生しやすくなります。段ボールや可燃物を大量にためると、保管場所の圧迫や火災時の延焼リスクにもつながります。
また、通路や避難経路へ廃棄物を置く、容器からあふれた物を屋外へ放置するといった運用は避けなければなりません。
事業者には、事業活動に伴って発生した廃棄物を適正に処理する責任があります。処理を委託した場合でも排出事業者としての責任がなくなるわけではありません。環境省「排出事業者責任の徹底について」
費用削減を優先するあまり、適正な保管や処理ができなくならないよう注意が必要です。
回収頻度を見直す前に集めたいデータ
適正な回収頻度を判断するには、少なくとも2週間から1か月程度、次の内容を記録します。
- 廃棄物の種類
- 回収曜日と回収時間
- 回収前の容器の充足率
- 袋数、重量または容量
- 容器の種類と大きさ
- 容器からあふれた回数
- 臨時回収の回数
- 臭いや害虫などの発生状況
- 曜日別・時間帯別の排出量
- 繁忙期と通常期の違い
充足率は、25%、50%、75%、100%などの簡単な区分でも構いません。
毎回50%以下で回収されているなら頻度を下げられる可能性があります。一方、常に満杯であれば、頻度を維持するか、容器容量や分別方法を見直す必要があります。
削減効果はどのように計算する?
たとえば、1回6,000円の回収を月20回から月12回へ減らせる場合、単純計算では次のようになります。
6,000円×8回=月額48,000円の削減
ただし、実際には次の費用も加えて比較します。
- 容器の追加・大型化費用
- 保管場所の整備費
- 消臭・清掃などの衛生管理費
- 臨時回収費
- 店舗従業員の運搬・分別作業
- 契約変更に伴う最低料金
仮に大型容器の追加費用が月10,000円必要なら、実質的な削減見込みは月38,000円です。
処分費が重量制で総排出量が変わらない場合は、処分費を削減額へ含めないようにします。
回収頻度を見直す手順
1.現在の契約と請求内容を確認する
まず、収集運搬費、処分費、容器代、管理費などがどのように計算されているか確認します。
「月額一式」としか記載されていない場合は、処理業者へ料金の内訳や回収条件を確認しましょう。
2.品目ごとの排出量を記録する
可燃ごみ、食品残さ、段ボール、廃プラスチック、金属くずなど、品目ごとに量と充足率を記録します。
すべてをまとめて確認すると、どの品目が容器を圧迫しているのか分かりません。
3.削減可能な回収日を特定する
回収時の充足率が低い曜日や、排出量が少ない曜日を探します。
週5回からいきなり週2回へ減らすのではなく、まず週4回へ変更するなど、段階的な見直しが安全です。
4.試験運用を行う
1か月程度の試験期間を設け、容器の充足率、臭い、臨時回収、現場の作業負担を確認します。
問題がなければ正式な契約変更を検討し、容器からあふれる場合は頻度や容量を再調整します。
5.契約条件へ反映する
回収曜日、回収回数、容器、単価、追加回収の料金などを明確にします。
産業廃棄物の委託内容を変更する場合は、委託契約書の記載内容やマニフェスト運用への影響も確認してください。
事業系ごみの区分や排出方法は自治体によって異なります。たとえば大阪市では、事業系一般廃棄物を一般廃棄物収集運搬業の許可業者へ委託するよう案内しています。大阪市「事業系ごみの分け方・出し方」
多店舗事業者では店舗別の比較が有効
複数店舗の費用を見直す場合は、店舗ごとに次の指標を並べます。
- 月間の回収回数
- 月間排出量
- 容器容量
- 1回当たりの費用
- 1kgまたは1㎥当たりの費用
- 1回収当たりの平均排出量
- 売上や店舗面積に対する処理費用
同程度の規模や業態であるにもかかわらず、特定の店舗だけ回収回数が多い場合は、見直しの候補になります。
ただし、単価が高いという理由だけで判断せず、地域、収集ルート、作業時間、保管条件、廃棄物の性状なども確認する必要があります。
よくある質問
回収頻度を減らせば、処分費も下がりますか?
重量制の処分費は、廃棄物の総重量が変わらなければ基本的に大きく変わりません。削減しやすいのは、回収1回ごとに発生する収集運搬費です。
どの程度まで減らしてよいですか?
容器からあふれず、衛生・安全上の問題が生じない範囲で設定します。排出量の記録を取り、段階的に試す方法が適しています。
処理業者へ頻度変更を依頼すれば料金も自動的に下がりますか?
必ずしも下がりません。月額固定料金や最低料金が設定されている場合があるため、変更後の見積書を取得して確認しましょう。
繁忙期だけ回収を増やすことはできますか?
処理業者との契約条件によります。通常月と繁忙期で回収頻度を分ける方法や、事前予約による臨時回収を設定する方法があります。
まとめ|回収回数ではなく回収効率を見直す
回収頻度の見直しは、廃棄物処理費用を削減する有効な方法の一つです。
特に、容器に余裕がある状態で回収している事業所や、排出量が減っても以前の契約を続けている事業所では、収集運搬費を抑えられる可能性があります。
ただし、回収回数を減らすこと自体が目的ではありません。
- 現在の料金体系を確認する
- 回収時の充足率を記録する
- 品目ごとの排出量を把握する
- 衛生面と保管容量を確認する
- 試験運用後に契約を変更する
- 定期的に回収条件を再確認する
これらを通じて、廃棄物を安全かつ効率的に回収できる状態をつくることが重要です。
エコビジョンでは、企業や多店舗事業者の廃棄物処理費用について、請求内容、排出量、回収頻度、容器容量、処理ルートなどを整理し、削減可能な項目を分析しています。
「回収回数が適正か分からない」「店舗ごとに契約条件が異なっている」「頻度を減らしたいが衛生面が心配」といった場合も、現場の状況を確認したうえで、無理なく運用できる見直し方法をご提案します。
