Contents
- 1 新店舗オープン時の廃棄物手配で確認したいこと
- 1.1 廃棄物の手配はいつから始める?
- 1.2 最初に廃棄物の種類を整理する
- 1.3 内装工事の廃棄物を店舗ごみと混ぜない
- 1.4 一般廃棄物は所在地の自治体ルールを確認する
- 1.5 産業廃棄物の委託先と許可を確認する
- 1.6 契約は回収開始前に整える
- 1.7 マニフェストの運用を決める
- 1.8 保管場所と分別容器を決める
- 1.9 回収車両の進入・停車条件を確認する
- 1.10 商業施設やビルのルールも確認する
- 1.11 開店準備期間は通常と異なる回収計画を立てる
- 1.12 店舗スタッフへ伝えておくこと
- 1.13 オープン後に一度見直す
- 1.14 新店舗オープン時のチェックリスト
- 1.15 まとめ|廃棄物手配も開店準備の工程に入れる
新店舗オープン時の廃棄物手配で確認したいこと
新店舗のオープン準備では、内装工事、什器の搬入、商品の納品、スタッフ研修など、短期間に多くの作業が重なります。
廃棄物の回収手配は後回しになりやすいものの、営業開始までに回収方法を決めておかなければ、段ボールや梱包材がバックヤードにあふれたり、オープン初日からごみを排出できなかったりする可能性があります。
また、新店舗では通常営業で発生する廃棄物だけでなく、内装工事の廃材、什器の梱包材、開店準備中の不要品なども発生します。
これらは排出した時期や作業内容によって、処理責任を持つ事業者や処理方法が異なる場合があります。
本記事では、新店舗オープン時の廃棄物手配について、準備を始める時期、確認項目、店舗と本部の役割を解説します。
廃棄物の手配はいつから始める?
廃棄物の回収手配は、店舗の所在地とオープン日が決まった段階から準備を始めるのが理想です。
遅くとも、内装工事や商品の搬入が本格化する前には、次の内容を確認しておきましょう。
- 店舗から発生する廃棄物の種類
- 通常営業時の排出量
- 開店準備中に発生する廃棄物
- 自治体や商業施設の排出ルール
- 収集運搬業者と処分先
- 回収曜日と回収時間
- 廃棄物の保管場所
- 回収車両の進入経路
- 契約やマニフェストの準備
- 店舗スタッフへの分別方法の周知
処理業者が見つかっても、契約手続き、容器の準備、回収ルートの確認などに時間がかかることがあります。
オープン直前では希望する回収条件に対応できない可能性があるため、早めに準備することが重要です。
最初に廃棄物の種類を整理する
新店舗の廃棄物手配では、まず何が発生するのかを整理します。
事業所から出るごみは、すべて同じ業者へまとめて渡せるとは限りません。
主な廃棄物として、次のようなものがあります。
通常営業で発生する廃棄物
- 生ごみ
- 紙くず
- 使用済みの紙容器
- 段ボール
- 廃プラスチック類
- 発泡スチロール
- 空き缶・空き瓶
- ペットボトル
- 廃油
- 金属くず
- 割れたガラスや陶器
- 蛍光灯や電池
- 商品の廃棄品
発生する品目は、飲食店、小売店、美容室、事務所など、店舗の業態によって異なります。
排出量が分からない場合は、既存の類似店舗について、売場面積、客数、売上、従業員数などを参考に想定します。
開店準備中に発生する廃棄物
開店前には、通常営業とは異なる廃棄物がまとまって発生します。
- 商品や備品の段ボール
- 緩衝材や包装フィルム
- 発泡スチロール
- 木製パレット
- 不要になった棚や什器
- 販促物やポスター
- 商品陳列時に発生した廃棄品
- 仮設資材や養生材
特に段ボールや梱包材は短期間に集中するため、通常営業を想定した容器だけでは収まらないことがあります。
オープン準備期間だけ回収回数を増やす、臨時回収を依頼する、大型容器を一時的に設置するといった対応も検討しましょう。
内装工事の廃棄物を店舗ごみと混ぜない
新店舗の内装工事では、木くず、廃プラスチック類、金属くず、ガラスくず、がれき類などの建設廃棄物が発生します。
これらを、営業開始後に使用する店舗のごみ容器へ入れる運用は避ける必要があります。
建設工事から発生した廃棄物については、原則として工事の元請業者が排出事業者となります。誰が処理を手配し、費用を負担するのかを工事契約や発注内容で確認しましょう。
- 工事の元請業者は誰か
- 廃材の処理費が工事代金に含まれているか
- 収集運搬業者と処分業者は誰か
- 廃棄物をどこで保管するか
- マニフェストを誰が管理するか
- 工事終了後に廃材が残らないか
工事業者から「店舗側の容器へ入れておいてほしい」と言われても、安易に受け入れず、廃棄物の種類と排出事業者を確認することが大切です。
環境省も、建設工事から生じる廃棄物について、排出事業者が許可内容を確認した処理業者と契約し、マニフェストによって適正処理を確認することを示しています。
一般廃棄物は所在地の自治体ルールを確認する
店舗から出る生ごみや汚れた紙などは、事業系一般廃棄物に該当する場合があります。
一般廃棄物の処理制度は市町村ごとに運用されているため、既存店舗と同じ方法で処理できるとは限りません。
新店舗を出店する自治体について、次の内容を確認します。
- 市町村による収集を利用できるか
- 許可業者との契約が必要か
- 指定袋や処理券が必要か
- 排出できる曜日と時間
- 分別区分
- 一度に排出できる量
- 市の処理施設へ持ち込めるか
- 商業施設独自のルールがあるか
事業活動に伴って生じた廃棄物は、一般廃棄物・産業廃棄物の区分にかかわらず、事業者が適正に処理する責任を負います。
一般廃棄物の処理は市町村の制度に基づいて行われるため、所在地を管轄する自治体の案内を確認しましょう。
産業廃棄物の委託先と許可を確認する
廃プラスチック類、金属くず、ガラスくずなどの産業廃棄物を委託する場合は、必要な許可を持つ収集運搬業者と処分業者を選定します。
収集運搬業者で確認すること
- 許可の有効期限
- 店舗所在地を含む必要な区域の許可
- 委託する産業廃棄物の種類
- 積替え・保管の有無
- 使用する車両や容器
- 運搬先となる処理施設
処分業者で確認すること
- 許可の有効期限
- 委託する産業廃棄物の種類
- 許可された処分方法
- 処理施設の所在地
- 処理能力
- 処理後の再資源化先や最終処分先
一般廃棄物の回収業者が、すべての産業廃棄物も回収できるとは限りません。
大阪市の案内でも、産業廃棄物の処理を委託する場合は、対象品目の許可を持つ収集運搬業者と処分業者を選び、それぞれと書面で契約する必要があると説明されています。
契約は回収開始前に整える
産業廃棄物の処理を委託する場合は、実際に廃棄物を引き渡す前に、書面で委託契約を結びます。
契約書では、少なくとも次のような内容を確認します。
- 委託する廃棄物の種類と数量
- 収集運搬業者
- 処分業者
- 運搬先と処分場所
- 処分方法
- 契約期間
- 収集運搬料金と処分料金
- 追加料金の条件
- 契約内容を変更する場合の手続き
- 処理業者の許可証の写し
オープン準備中に廃棄物が出始めてから契約手続きを行うのでは遅い場合があります。
いつから店舗側の廃棄物が発生するのかを確認し、その日までに契約を整えましょう。
マニフェストの運用を決める
産業廃棄物の処理を委託する場合は、マニフェストによって運搬・処分の流れを管理します。
新店舗では、次の内容を事前に決めておく必要があります。
- 紙と電子のどちらを使用するか
- マニフェストを交付・登録する担当者
- 廃棄物の種類と数量の確認方法
- 店舗での引渡しに誰が立ち会うか
- 運搬・処分終了の確認担当者
- 紙マニフェストの保管場所
- 本部への報告方法
- 問題があった場合の連絡先
紙マニフェストを使用する場合、店舗スタッフが制度を理解しないまま処理業者へ任せてしまうことがあります。
排出事業者は、交付したマニフェストと返送された写しを照合し、委託した廃棄物が適正に処理されたことを確認します。
店舗任せにせず、本部を含めた管理方法を決めておきましょう。
保管場所と分別容器を決める
処理業者との契約だけでなく、店舗内で廃棄物をどこに置くかも重要です。
保管場所を決めるときは、次の点を確認します。
- 想定する排出量を保管できるか
- 廃棄物の種類ごとに分けられるか
- 雨水や直射日光を避けられるか
- 飛散・流出を防止できるか
- 害虫や臭気への対策ができるか
- お客様から見えにくいか
- 避難経路や作業動線をふさがないか
- 施錠や持ち去り対策ができるか
- 回収時に安全に搬出できるか
ごみ置き場の面積だけでなく、分別容器の数と容量も確認します。
既存店舗で使っている容器が、新店舗のバックヤードや通路に入るとは限りません。扉、エレベーター、段差、通路幅なども実測しましょう。
回収車両の進入・停車条件を確認する
図面上では回収できそうでも、実際には車両を停められないケースがあります。
- 回収車両が進入できる道路幅か
- 高さ制限や重量制限がないか
- 敷地内に停車場所があるか
- 路上での積込みが必要か
- 商業施設の搬入口を使用できる時間
- 駐車場のゲートを通過できるか
- 台車で運ぶ距離と経路
- 階段や段差の有無
- 来店客や納品車両と動線が重ならないか
- 鍵や入館手続きが必要か
可能であれば、契約前に処理業者へ現地を確認してもらいましょう。
早朝や夜間に回収する場合は、鍵の受け渡し、警備会社への連絡、騒音対策なども必要です。
商業施設やビルのルールも確認する
テナントとして出店する場合は、自治体のルールだけでなく、商業施設やビルの廃棄物管理ルールも確認します。
施設によっては、指定業者との契約や共用ごみ置き場の利用が定められています。
- 施設指定の処理業者がいるか
- 廃棄物処理費が共益費に含まれるか
- テナントが個別契約できるか
- 共用ごみ置き場の利用時間
- 分別方法と指定容器
- 計量方法
- 鍵やカードの管理
- 粗大ごみや臨時ごみの申請方法
- 禁止されている品目
- 違反時の追加費用
指定業者がいる場合でも、どこまでの廃棄物を回収できるのかを確認しましょう。
産業廃棄物や特殊な廃棄物については、テナント側で別途手配が必要なことがあります。
開店準備期間は通常と異なる回収計画を立てる
開店前と通常営業では、廃棄物の量と構成が大きく異なります。
開店準備期間
- 段ボールや包装フィルムが大量に出る
- 商品搬入日に排出が集中する
- 什器や販促物など大型の廃棄物が出る
- 作業時間が不規則になりやすい
- 工事業者や納品業者の廃棄物が混在しやすい
通常営業開始後
- 生ごみや紙くずなどが継続的に出る
- 曜日や営業時間に合わせた定期回収が必要
- 臭気や害虫対策が重要になる
- 繁忙日と通常日の排出量に差が出る
- スタッフが日常的に分別する
開店前だけ臨時回収を設定し、営業開始後は定期回収へ切り替えるなど、期間を分けて設計しましょう。
店舗スタッフへ伝えておくこと
回収方法を整えても、店舗スタッフが分別や排出方法を知らなければ運用できません。
オープン前の研修では、少なくとも次の内容を共有します。
- 廃棄物ごとの分別方法
- ごみ箱と保管場所
- 段ボールのたたみ方
- 袋や容器の指定
- 排出する曜日と時間
- 容器からあふれた場合の対応
- 回収されない品目
- 電池やスプレー缶などの保管方法
- 回収漏れが起きた場合の連絡先
- 店舗判断で処理業者を追加しないこと
文章だけでなく、実際の容器や排出場所の写真を使ったマニュアルを用意すると、スタッフが判断しやすくなります。
オープン後に一度見直す
事前に排出量を想定しても、実際に営業を始めると予測と異なる場合があります。
オープンから1か月程度を目安に、次の内容を確認しましょう。
- 容器から廃棄物があふれていないか
- 回収頻度は適切か
- 使われていない容器がないか
- 分別ミスが発生していないか
- 回収時間が店舗運営に影響していないか
- 臭気や害虫の問題がないか
- 契約外の追加料金が発生していないか
- マニフェストが適切に運用されているか
- 店舗から問い合わせが集中していないか
必要に応じて、容器容量、回収頻度、保管場所、分別表示などを調整します。
新店舗オープン時のチェックリスト
排出内容
- 発生する廃棄物を洗い出した
- 一般廃棄物と産業廃棄物を整理した
- 工事廃棄物の処理責任を確認した
- 開店準備期間の排出量を想定した
- 通常営業時の排出量を想定した
業者・契約
- 自治体や施設のルールを確認した
- 必要な許可を持つ処理業者を選定した
- 許可証の品目と有効期限を確認した
- 回収開始前に契約を締結した
- マニフェストの運用方法を決めた
現場運用
- 保管場所を決めた
- 分別容器を準備した
- 回収車両の進入経路を確認した
- 開店準備中の臨時回収を手配した
- 店舗向けの分別ルールを作成した
- 問い合わせ先を周知した
- オープン後の見直し日を決めた
まとめ|廃棄物手配も開店準備の工程に入れる
新店舗オープン時の廃棄物手配では、通常営業の定期回収だけを決めればよいわけではありません。
- 工事廃棄物と店舗の廃棄物を分ける
- 開店準備中と通常営業時の排出量を分けて考える
- 一般廃棄物は所在地の自治体ルールを確認する
- 産業廃棄物は許可、契約、処理先を確認する
- 保管場所と分別容器を準備する
- 回収車両の進入・停車条件を確認する
- 店舗スタッフへ排出方法を周知する
- オープン後に回収条件を見直す
これらを内装、什器、採用、商品搬入などと同じ開店準備の工程へ入れておけば、オープン直前の混乱を防ぎやすくなります。
エコビジョンでは、多店舗展開企業の新店舗について、自治体ルールの確認、処理業者の選定、許可証・契約書の整理、保管場所や回収条件の確認、開店準備期間の臨時回収、営業開始後の定期回収まで支援しています。
新店舗ごとに処理方法がばらばらにならないよう、出店時の確認項目や手配手順を標準化するところからご相談いただけます。
